戦争を起こしたい、国民を戦わせたい勢力が仕掛けるプロパガンダの10か条として、アンヌ・モレリの著書の中で述べられているのが、戦争プロパガンダ10か条。内容はだいたい以下の通り。
- 「われわれは戦争をしたくはない」
- 「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
- 「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
- 「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
- 「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
- 「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
- 「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
- 「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
- 「われわれの大義は神聖なものである」
- 「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」
これは、ネットで探せばいくらでも見つかるものだが、メモ書きの意味も込めて引用しておく。
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前述の著者アンヌ・モレリはベルギーの歴史家。しかし、この10か条の研究の基礎が築かれたのは実は第1次世界大戦前後の大英帝国。この戦争に国民を駆り立てる英国政府の、心理学を悪用したプロパガンダを批判し続けた英国の政治家、アーサー・ポンソンビーの活動に由来する。
第1次世界大戦前頃から、英国の心理学者らが大衆を動員する方法を研究していたらしいことは、エドワード・バーネイズの著書にも記されている。バーネイズは、第1次世界大戦に米国国民を動員するための米国国内向けプロパガンダ活動に暗躍したクーリエ委員会の主要人物の1人だ。
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それからおよそ一世紀。未だ、人類は同じ手法で戦わされ続けている。同じ手法で騙され続けている。人間とは、そのようなものなのかもしれない。
だが、ここ数年、東アジアで起きているきな臭い動きを見ていると、思った以上に東アジア諸国の国民は賢い、そう思えることがある。
だから、私は人々の賢さと良心を信じたい。